空気調和

いつも傍にいることが当たり前になると
その存在感を意識しなくなる時がきます


冬の間に顔を出した少し穏やかな暖かさ
無意識にエアコンを入れなかったのは久しぶりのことでした

その日もいつも通りの暮らしをこなしていただけなのに
あたり一面を支配した不思議な静けさと寂しさ

僅かに普段と違うことに理由を求めてみたところで
確かにそれとは違う何かに理由がある気がし続けました


そうして行き着いた答えこそが
今日は休んでいたエアコンの音


文字に起こせないほどぼやけた運転音が
静かな空間をほどよく埋めてくれていたことを

待ち望んでいた暖かさと引き換えに
失うことで初めて気づきました

空気調和設備と名付けた先人は
場の空気について言及した気はさらさら無かったであろうけれど


いつも傍にいることが当たり前になると
その存在感を意識しなくなっていたことを気づかせてくれました


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by gallery_isolate | 2017-02-17 20:10 | prose poetry(散文詩) | Comments(0)