20170417 植田まさし先生の世界

4コマ漫画「おとぼけ課長」が連載終了とのことで、作者の植田まさし先生はこれから少しずつ仕事を減らしていかれるのかもしれません。
その淋しさを原動力に、今日のブログを書かせていただきます。


私は小学生の時から、家にあった植田作品が大好きで、これまで「かりあげクン」「まさし君」「のんき君」「おとぼけ課長」「きっぷくん」等、ほとんどの作品を読んでいます。

きっと幼かった頃は、あの独特なタッチの絵が好きで読んでいたようにも思いますが、漫画の舞台が大学や会社が舞台となることが多いことから、年齢を重ねるにつれて共感できる部分が増え、さらに手放せない漫画となりました。


突然ですが、植田先生の描く作品は「無駄の削ぎ落とし」を極めた芸術だと思います。

まず主な作風として選ばれている「4コマ漫画」自体、限られたコマの中で場面設定をし、ストーリーを生み、笑いを誘います。
これは、起承転結の最も明快な見本であるとも言えるでしょう。

そして、オチが完成するために必要最低限の絵と表現で描かれる植田ワールドは、独自の表現方法を生み出していきました。
有名なところでは、女性の髪に描かれる謎の模様。これは、髪全体が黒いことを簡略化の記号であると言われています。

そんなシンプルな絵を通じて描かれるのは、皮肉屋でいたずらっ子で、時々おとぼけな登場人物たち。
絵の背景だけでなく登場人物の表情すら無駄がない分、ひょうひょうとしたキャラクターを通じてオチの鋭さが磨かれます。

そうして創り上げられる植田ワールドは、数多ある4コマ漫画の中でも特に精度が高く、どのエピソードを見ても「クスッ」「ハハハ」もしくは「なるほど」のいずれかの反応が出てしまうでしょう。


無駄の削ぎ落としでいえば、植田作品では4コマ漫画の途中で挿し込まれる1コマイラストも大変秀逸。
常識を斜め上の発想で生きる、言わば「社会をなめた姿勢(心からの褒め言葉)」をユーモアというフィルタを通して描かれます。

言葉もストーリーもなく、1つのイラストだけで笑わせるのです。
(先程「植田まさし」をGoogleで画像検索すると、かりあげクンが「環境ホルモン」について取り上げた新聞記事を読みながら、カップ麺の中身を容器から出し、乾麺のままで食べているイラストでした笑)


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きっと、私が素直な表現を苦手としたり、王道を嫌ってしまうのは、植田イズムが無意識に染みついているからではないか、とすら思っています。

ぜひこれからも時にピリッと、時にほんわかで、時にシュールな植田まさしワールドを期待しています。
身近で触れられる芸術を皆さまもお楽しみください。



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by gallery_isolate | 2017-04-17 18:49 | prose poetry(散文詩) | Comments(0)