カテゴリ:prose poetry(散文詩)( 217 )

言葉を心のカメラにして

東京から夜空の帰り道

視界からは動かない翼を眺めると
その周りに、その時間には似合わない明るい雲が見えた

不思議だな、と思いながら狭い窓から覗くと
無言で輝く真っ白な満月

今日は厚い雲の絨毯が敷いてあるから
きっと地上の人には見えないんだろうな、
そんなことを思いながら
独り占めの月をさらに思い出に刻もうとカメラを手にした

しかし、機内の光が写る、カメラが反射する、
窓が邪魔してうまくいかない


そうして諦めた僕は、その景色を思い出せるよう
こうして言葉を綴ることにした

もう二度と同じ空を見ることはない

でも、この言葉を読み返せば、色も光も思い出せるはずだ
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by gallery_isolate | 2012-07-11 12:55 | prose poetry(散文詩) | Comments(0)

関係について

一、自分について

自分が生まれるずっと前から
「自分を間接取り巻く関係」は生まれている

あらゆる可能性を秘めたこの身体も
この関係が、とある行動を禁じていく

関係とはつまり、透明な制限装置である

自分が生まれた瞬間に
「自分を直接取り巻く関係」も同じく生まれた

あらゆる可能性を秘めたこの頭と口も
これらの関係が、とある言動を禁じていく

関係とはつまり、透明な制限装置である



二、命を持ったリボンについて

二本のリボンは、結ばれあったその日に
共に結ばれ続けていく関係を生み出した

結び目の窮屈さや座標のずれが生じても
関係が、第三のリボンとの繋がりを禁じている

関係とはつまり、透明な制限装置であり
関係とはつまり、冷たく透明な鎖である


いつか未来、片方のリボンが緩急つけて、
綻び、風吹き、空を舞い、
巡り逢い、結ばれて、喜べば、

関係とはつまり幸せの縄張りとなり
制限とはつまり喜びの束縛となるだろう
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by gallery_isolate | 2012-06-02 10:00 | prose poetry(散文詩) | Comments(0)

TPO二面性

夏の日に日差しを避けて、

冬の日に日差しを求める。


そんな感じでしょうか、

あなたの目に映る、軽薄な姿は。
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by gallery_isolate | 2011-11-26 22:23 | prose poetry(散文詩) | Comments(0)

真赤な作家

変化は退化
効果は悪化
感化も鈍化
硬貨も酸化

戦火は軟化
劣化で降下
愚かな短歌
単価も低下

昨夏の高架
引火の結果
真赤な作家
月下に献花
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by gallery_isolate | 2011-07-31 12:04 | prose poetry(散文詩) | Comments(0)

葛藤

扉のチェーンをかけなかった。

それが、せめてもの優しさだった。
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by gallery_isolate | 2011-07-11 20:34 | prose poetry(散文詩) | Comments(0)

飛び降りの仕組み

顔に傷が出来たなら
部分仮面で隠さなければ。

抱える傷が広がったなら
部分仮面を大きくしましょう。

顔が傷しかなくなったなら
部分仮面はただの仮面。


仮面が自然になりすぎたなら
新たな仮面を被らなければ。

仮面が自然になりすぎたなら
新たな仮面を被らなければ。

仮面が自然になりすぎたなら
新たな仮面を被らなければ。


そうして仮面が重くなったら
重力に任せて落下します。

ビルの屋上から体ごと
重力に任せて落下します。

顔に傷がつき始めたら
そこから始まるマスカレイド。
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by gallery_isolate | 2011-07-10 10:18 | prose poetry(散文詩) | Comments(0)

ウラギリ遊び

裏切りは疑いを産み、
疑いは憎しみを産み
憎しみは痛みを産み、
痛みは悲しみを産み、

悲しみは空の色を変え、
悲しみは街の音を変え、
悲しみは地球の重力を変え、
悲しみは心に残り、

その心は傷を抱え、
その傷は癒えないから、
その代わりに、一つの心は、
傷を忘れるだけの裏切りを産む。
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by gallery_isolate | 2011-01-09 18:48 | prose poetry(散文詩) | Comments(0)

ぬくもりでぬくもる時間

二人で寝るには小さいから、

大きい枕を買おうか、と言うと


小さい方が近くになれると

平然と言えたキミ。


そんな小さな会話だけでも、

キミの想いは大きく伝わるんだ。
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by gallery_isolate | 2010-11-24 12:52 | prose poetry(散文詩) | Comments(0)

病みに光は

独りでこの夜過ごす時間
圧倒的に淋しくて
紛らわすために家にある
灯りを総て点けてみた

2秒もかかって気づくこと
それは「意味がなかった」と
灯りは目の前映る影
さらに濃くして目立たせた

だから今この詩うたう
この部屋は何も点いてない
居心地のよさと便利さは
今、この場では比例しない

顔を照らすはパソコンの顔
から放たれる鮮やかな虹
あとは空気のよな音楽と
包める香りさえあればいい
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by gallery_isolate | 2010-11-14 00:07 | prose poetry(散文詩) | Comments(0)

転嫁

雨だからかな

話しづらいのは

雨だからかな

重い空気は


昨日の後に

僕の知らない

時間があるから

不安になるね


雨だからよね

目が合わないのは

大丈夫だよね

明日晴れれば


でも現実が怖いから

やっぱり明日も、雨よ降って
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by gallery_isolate | 2010-06-22 00:18 | prose poetry(散文詩) | Comments(0)