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​七割どまりの幸せ

夏から秋へのグラデーションを感じ始めた9月の朝。

昨朝の雨を恨むことを忘れ、
少しずつ色づいていく視界を楽しみながら今朝を走っている。

建物も道路も公園も、鈍感な僕はそれ自体の変化は感じないが、
たった一つ、日々明らかに表情を変えて出迎えてくれる存在がある。

空だ。


今、建物の隙間から、
壮大なバラードを演出する照明のような陽の光が漏れている。

もっと開かれた空で見たい。
その一心で僕は、走る速度を上げ、いつもより手前で角を曲がり、
最寄り駅の西口から陽の光を臨む。

やはり壮大だ。
でも、もっと遠くから見たい。

走ろうと意識をしたことも覚えていない位、
気づけば西に向けて全速力で駆けていた僕は、
一つ目の横断歩道のところで立ち止まり、東の空を眺めた。

しかし、
数秒前を既に何段階も上書きしたような明るい空が
光の筋を完全に均してしまっていた。


それでも、
その景色に出逢い、その景色を追い求め、
その先の感動を想像できた。

思えば、この七割どまりの幸せを、
それでもありがたいことだったと思えるかどうかの積み重ねが、
いずれ幕を閉じるその時に幸せな人生だったと思えるかどうかを
心に残していくのではないだろうか。


そんなことを考えながら、時間と共に戻ってきた夏の中、
いつもの「今日の走り」に戻った。


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by gallery_isolate | 2016-09-29 12:59 | poem(詩) | Comments(0)

光合成のうた

良くない話が心に棲みつきスイッチを押せば
遠慮もなく増えてくから 見えない鎧になっていく

時計が壊れるほど速く永い黒も
宇宙に憧れるくらい重たく深い青も

少し立ち止まって時間(とき)に取り残されてみる
そして作り出す溜め息の白さで心を埋めて


瞼閉じれば昔のまま安らぎくれる場所がある
目を凝らせば向こう側に未知の煌めきが待ってる

朝顔くらい小さくささやかでもいいから
何遍でも蘇る喜びの種を持って

涙隠す雨がシャツを濡らしても逃げずに
その潤いを抱いたまま心渇かさないで

雨を降らせた雲もあの日立ち止まった理由(わけ)も
再び走り出したときの風の摩擦に任せ


強い陽射し浴びて新しい力に変えていく
それができれば昨日より強く今日を生きていける


よくある話さ 心は空っぽじゃ枯れていくだけ
溜め息と涙は次の陽射しを静かに待ってる
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by gallery_isolate | 2016-09-04 09:30 | lyric(詞) | Comments(0)