ことばの乗客

朝、何気なく交し合う一言も
合言葉のように繰り返した一言も

物語を描く長い長い文章も
旋律にのせた特別な文章も

手紙で綴りたい想い伝えるメッセージも
メールで済ませたありふれたメッセージも

電波に乗せて遠くに飛ばす声も
涙を伴って聞かせる震えた声も


すべてが、おんなじ「言葉」だけれど
すべてが、違った「表情」(カオ)している

すべては、「言葉」の行き交いだけど
すべては、「心」(キモチ)を伝えている
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by gallery_isolate | 2009-11-18 08:25 | poem(詩) | Comments(1)

依る、夜、寄る

いつも目にして意識しなかった

白いあれを指差しながら

それは雪だ、と告げられたよ

その瞬間から雪に見えたよ

触れればちゃんと冷たそうで

踏んだらギュッと音がしそうで

意識が一語に依存したなら

心がまさか幼子に戻るの
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by gallery_isolate | 2009-05-28 13:38 | poem(詩) | Comments(0)

基準経験値

ドライ、クール、冷めた、冷たい、寒い、に、
ホット、アツイ、暑苦しい、と、

僕らを図る指標は
温度だけでこんなだ
僕らを好みで分ける
基準の一つでこんなだ

人を選びたがる人間は
そのほんの少しの判断で
どれだけの湿度を見捨てて
許せなかった雨を受け入れたんだろう

人を選びたがるこの僕は
そのほんの少しの判断で
どれだけの湿度を見捨てて
同じ分の湿度を見捨てられたんだろう
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by gallery_isolate | 2009-05-18 23:21 | poem(詩) | Comments(4)

赤裸々、哀愁

狂喜の薔薇
珊瑚の夢
遠のく景色
悪しき夢見ぬ
流石の記憶
高鳴る津波
絵師なら飛躍
日、ようく散ると
赤裸々、哀愁
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by gallery_isolate | 2009-04-03 11:55 | poem(詩) | Comments(0)

まるで
すべてを失ったように
無表情の君を見た
あまりにカタチにならなかったから
ひとつ
言葉を残してみた

すると まるで
幼い頃よく見たドラマの
演出家の遊び心みたいに
無表情のカタチは崩れた

それを見て
この世界中で一番温もりを感じたのは


幸せをまた独占したいもんだから
もう一つ残してみる
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by gallery_isolate | 2009-03-17 09:02 | poem(詩) | Comments(0)

ひとがゆえ

形に出来ない物事を
言葉に込めると、いつからか

言葉が事実を乗っ取って
表せぬ物を振り落とす

いつしか独り歩き始めるは
足場得た後の葉の方で

例えば素直という言葉
総てを受け入れられるが、そう?
それとも自分貫くが、そう?

たとえば触れ合い、それさえも
言葉の遣り取りだけでも、そう?
それか肌触れられるまで、no?

そうして自由を得た生き物は
枠造り、自ら、閉じ込める

虹見る人は、その場所場所で
「いつつ」「ななつ」と色、数え出す
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by gallery_isolate | 2009-03-14 11:53 | poem(詩) | Comments(0)

転 -ten-

「あ、」

読み掛けの本が閉じたことすら
気にも留めずに下を見た

床に落ちたのは灰皿と灰
ひじにあたって落としてしまった

「今日は良い事がないな…」
目を閉じ、深くうなだれた

また一つ増えた仕事に撮り掛からなきゃ、と
目を開け、床に手を伸ばした時

既に伸びていたもう一つの手の先に
笑顔でコーヒーをくれた店員さん

「スーツは汚れていませんか?」

真っ先に相手を気遣う言葉に
久し振りの「驚き」を覚える内に

すぐに灰皿と灰は視界からなくなり
いつもと同じ床に戻った

不運と思えた予期せぬことで
「ありがとう」と思える幸せをもらった
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by gallery_isolate | 2009-02-16 23:17 | poem(詩) | Comments(0)