ボールでは無機質

その場所では、
個が個のまま存在し、自分のための話で溢れている

たとえ自分のためであっても、
誰かに振り向いてほしいと声には出さないにしても、
一本でも多くの親指が立てば嬉しくなるものだ

ただ現実は、
僅かな時の間にも水が溜まり、
時系列の川に数多の話が洪水のように流れてくるから、
個は、別の個の話を読み流すだけでも必死になるだろう

今日は、その激流の中から自分という水をいつも掬い上げてくれる両手に
日頃からの感謝を伝えてみた

その言葉すら下流に流れてしまうかもしれない、
そんな覚悟すらしながら気持ちに正直に伝えてみた

ただ現実は、
予想だにしなかった温かな言葉が真正面から返ってきた

流れ去るどころか、激流の中に凛と立つ思いを以て、
この心の芯に強さをも与えてくれた


二者間のやりとりを「言葉のキャッチボールだ」と例えることがある
しかし、今日のやりとりはボールという無機質なものでは例えたくなかった


感謝の気持ち、気持ちが紡いだ言葉、言葉が導いた強さ
これは、個が個のまま存在し、個のための話が溢れる場所で、
相手の個を思い、「言葉の花束を贈り合った」

そう表現する方が、実感をよりわかりやすく遺せる気がするんだ

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by gallery_isolate | 2017-05-02 18:09 | prose poetry(散文詩) | Comments(0)